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徳川家ゆかりの寺も! こもろ観光ガイド協会と行く、旧北国街道『小諸宿』街道歩きのすすめ~その2~

観光ガイド協会オススメの『旧北国街道小諸宿』立ち寄りスポット紹介の第二弾!

小諸の街を歩いてみたいけれど、どこがオススメ?そう回ったらいい?
そんな声を受けて、小諸の歩き方を紹介する企画の第二弾です。
第一弾の記事はこちら

前回は北国街道の市町・本町エリアを中心にご紹介しましたが、今回は荒町・与良町エリアをご紹介します。

徳川秀忠ゆかりのお寺や、城下町小諸を支えた小諸商人たちの隆盛ぶりが伝わる建物が残る町並み、俳人・高濱虚子ゆかりの与良町を歩いてみましょう。
お買い物やグルメスポットもちょこっと紹介!

※小諸は坂の町です。移動には電動アシスト付自転車(小諸市観光案内所でレンタル可能)での移動が便利です。

|商都・小諸の面影を残すモダンな建物が多く残る荒町エリアと高濱虚子を支えた与良町エリア

海應院(かいおういん)
江戸幕府第二代将軍・徳川秀忠ゆかりの寺で、市の花・コモロスミレが発見された場所でもあります。
関ケ原の戦いにおいて、父・家康は東海道を、秀忠は中山道を通って関ケ原を目指しますが、途中で信濃で真田昌幸・信繁親子が立てこもる上田城の攻略にとりかかります。
しかし、思うように攻略できずにいたところ、真田氏から海應院住職を仲介役として和睦を申し込んできました。秀忠は住職の労をねぎらい、礼として小諸在陣の折に使用したと伝わる「下馬札」「高麗茶碗」「葵紋散軍配団扇」を海應院に下賜しました。今も寺宝として現存しています。(通常非公開。観光ガイド案内の申込で本堂拝観も可能です。※法事等の際は拝観できません。)
境内には樹齢約380年の「潜龍(せんりゅう)の松」が、訪れる人を迎えてくれます。

 

酢久商店
山吹味噌で有名な味噌醸造元です。江戸時代の蔵、門、屋敷が今も残ります。
関東から仕入れた畳表、かつお節、茶、塩などを長野県内に流す問屋業としても成功し、小諸藩の御用商人として藩にお金を貸して、武士に近い身分を与えられた旧家です。
明治時代の当主・小山久左衛門正友は、小諸のリーダーとして鉄道開通や製糸工場の建設などに取り組み、小諸の発展に力を尽くしました。「紅浅間」で知られる洋画家・小山敬三は小山久左衛門正友の三男です。
小山敬三についてはこちら

小山敬三『浅間山黎明』(転載不可)

浅間山の麓、伝統の技術を用いて丁寧につくられた味噌は美しい「山吹色」をしていたことから、いつしか「山吹味噌」と呼ばれるようになり、350年もの間、伝統の味を守りつづけています。
北国街道沿いに建つショップには味噌をはじめ甘酒や野菜の味噌漬け、肉や魚のお惣菜も販売しています。

2021年には向かい側に自家製ハム・ソーセージの専門店「デリカテッセン山吹」をオープン。
築100年以上の日本家屋をリノベーションした店舗では、こだわりのハムやソーセージをいただけます。
2023年10月には山吹味噌を用いたラーメン店「信州味噌らーめん山吹」をオープン。自慢の味噌の味わいを活かしたラーメンをぜひ味わってみてください。
酢久商店:10:00~18:00/水曜定休
デリカテッセン山吹:10:00~18:00/水曜定休
信州味噌らーめん山吹:月~木 11:00-16:00(L.O. 15:00)、金・土 11:00-21:00(L.O. 20:00) 、日 11:00-18:00(L.O. 17:00)/水曜定休
※年末年始は営業日・営業時間が変更になります。詳しくはこちら

◆信州味噌についてはこちら
◆酢久商店についてはこちら

デリカテッセン山吹

信州味噌らーめん山吹

 

山崎長兵衛商店旧店舗(荒町 The GATE)
大正~昭和初期には、櫛、香水、化粧品やアクセサリーなどを売る、女性に大人気のお店でした。
セセッション風の外観は小諸が華やかでモダンだった時代の空気を今に伝えています。
令和4年、国の登録有形文化財に登録されました。
平成29年、取り壊されそうになっていたところ、個人が買い取り、現在は宿泊施設「開魂楼 時の門」として営業しています。宿泊施設の他にレンタルスペースや会員制サロンもあります。

荒町エリアには山﨑長兵衛商店のようなモダンな建物、看板建築が多くみられ、商都小諸の往時の賑わいを感じさせます。

山崎長兵衛商店旧店舗。荒町 The GATE(大正時代の建物)

 

看板建築の建物が目立つ。横から見ると“看板”なのがよくわかる。(大正時代の建物)

 

 

与良館と銭蔵
与良は戦国末期に農民や職人が集められてできた町で、宿場の中心から離れたのどかな雰囲気の地区です。
旧北国街道を与良方面に進むと、左手に格子戸に暖簾がなびく建物が見えてきます。

暖簾をくぐると地元の方が出迎えてくれる、地域住民の憩いの場、おもてなしの場として人気です。
地域交流の拠点施設となっており、まち歩きのお休み処・案内所(無料)として旅人を迎え入れてくれます。

建物はもともと松屋という商家で、江戸時代には漆器屋、戦後は家具問屋を営んでいました。

与良館の奥には、小諸藩の金庫だった「銭蔵」があります。
明治維新の廃藩により、松屋に払い下げられ移築されました。もとは小諸城の西側にありました。
板張りの床下に石室があり、ふたは一枚の平らな石でこれをすべらせて引き開けるようになっています。
ここには千両箱が置かれていたのだとか。

高濱虚子記念館と虚子の散歩道
高濱虚子は明治7年、明治~昭和初期に活躍し、日本を代表する俳人。
太平洋戦争の戦火を避けるために、昭和19年9月~昭和22年10月に五女の一家と小諸に疎開してきました。
五女と交流のあった小山栄一の援助のもと、小山氏の持ち家であった家を借り俳句活動や句会を精力的に開催しました。
厳しく美しい風土に接した虚子の詩精神は新たな躍動を見せ「小諸時代」を現出しました。

与良館のすぐ隣には、虚子の小諸時代の貴重な作品・資料を保存展示する「高濱虚子記念館」と虚子が暮らした家「虚子庵」が近所から移築されています。
虚子は松屋(現与良館)にもよく訪れていたようです。

与良館の横の道を山側に上っていくと大日堂や御嶽人者や石塔群があらわれ、さらに左手に上っていくと笠石の句碑や田んぼの風景が広がります。
北国街道から一歩奥に入ると、風景が一変してのどかな風情が漂うこの道は虚子が気に入っていた散歩道でした。
高濱虚子と記念館等についてはこちら

 

|このコースでオススメのお土産&グルメスポット

■風味堂
北国街道沿いに店を構える明治21年創業の老舗和菓子店。
定番の団子にどら焼き、大福等の朝生菓子はもちろん、季節にはおこわや赤飯も人気です。
ひとつひとつ真心こめてすべて手作りです。
店の外には和菓子の自販機があります。
10:00~17:00
定休日:木曜日(他不定休あり。Instagramでご確認ください)

 

■彩本堂
日本文化を大切に、古き佳きものと新しいものが調和した世界をお届けする「サイフォンの専門店」です。
高品質なスペシャルティコーヒーはもちろん、日本各地から取り寄せた日本茶の数々をサイフォンでお愉しみいただけます。
古民家をリノベーションした和の空間で楽しむ一杯の香りは、まさに非日常。 唯一無二の贅沢なひとときを、ぜひご堪能下さい。
10:00~17:00
定休日:木曜日(定休日が祝日の場合は営業、翌日が振替休日となります)
公式HP

 

■スーパーツルヤ
明治25年、小諸町(現小諸市)で創業した、いまや長野県内外で人気のスーパーマーケットです。
小諸市内には3店舗あり、なかでも小諸店は小諸駅から徒歩約5分という好立地。
観光のついでにもお立ち寄りいただけます。

 

■中華ビストロ 太一
軽井沢の人気店で腕をふるってきた店主が、小諸駅前に独立開業したモダンな雰囲気の中華ビストロ店です。
広いカウンター席では、目の前で調理する姿を見ることができます。
ドアの取っ手がお玉なのもユニーク。

ランチ:11:30~14:30(14:00LO)
ディナー:17:30~22:30(21:30LO)
定休日:水曜日、月2回木曜Instagramで要確認)

 

■ご紹介したスポットは、信州小諸 城下町&文学のめぐり道mapに掲載されております。
 『パンフレット置き場』ページよりダウンロードできます。

|小諸の観光案内は、こもろ観光ガイド協会へ
ガイド研修を受けて認定された市民ガイド約30名が在籍。
小諸の歴史、史跡、文学をわかりやすく、おもてなしの心を大切にご案内します。

今回、記事で紹介したコースは「北国街道小諸宿Bコース」でご案内いたします。

【主なガイドコース】
■小諸城址懐古園コース
■北国街道小諸宿A・Bコース
Aコース:本町・市町エリア中心
Bコース:荒町・与良町エリア中心
■郊外コース(布引観音など)
※ガイドは2時間以内。ガイドの申込、料金、詳細についてはこちらのページをごらんください。▶こもろ観光ガイド協会

こもろ観光ガイド協会の大西会長