北国街道・小諸宿みどころ│小諸宿本陣・脇本陣
Hokkoku Road Komoro-Juku station
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江戸前期には、参勤交代の際に諸藩の大名が宿泊した「本陣」が、本町に置かれ、「問屋場」は市町の「上問屋」と本町の「下問屋」の二つが半月交代で、公的な役務での旅人や物資をリレーして運ぶための役所の役割を果たしていました。 小諸宿・市町エリアには、「本陣」の「御殿」と「問屋場」、「脇本陣」の江戸期の建物が、残されており、全国でも希少な宿場町です。
「本陣・問屋場」は、公的な役務での旅人や物資をリレーして運ぶための役所の役割を果たしていた建物です。人足や馬を継ぎ立てたり、公用の書状などを運ぶ継飛脚の手配をしました。この建物は1700年末~1800年初頭のものと推定されています。建物は、妻入りの出桁構造、総二階建てで、連子格子窓や、まねき屋根など、高い格式を備える建物で、本陣と問屋場兼ねる構造など、全国でもまれに見る規模の大きさです。 本陣に宿泊する大名は、この問屋場の建物に向かって左側にある薬医門を通り、問屋場の奥に建てられていた御殿に入りました。 また、「本陣・問屋場」と「薬医門」は、江戸時代の構造をそのまま残す貴重な建造物として、国の重要文化財にも指定されています。 現在は、建造物の復元に向けた令和の大改修で工事中です。
「本陣・御殿」は、江戸時代、参勤交代の大名や公家などが休泊した格式のある建物です。江戸中期に北国街道・小諸宿、市町にある旧小諸本陣(問屋場)の奥に建てられた建物で、現在は、旧小諸本陣からほど近い大手門公園内に移築復元されています。建築当時の部材を可能なかぎり使用し、間取りなども復元されています。 建物正面の玄関は、むくり屋根や彫刻を施した「式台」の形式で、駕篭を横付けして乗り降りできる構造です。また、奥の座敷は、「上段の間」となり、床の間に欄間彫刻のある付け書院、違い棚などが施された格式の高い造りです。 2023年11月、本陣主屋はイタリアンレストランとして生まれ変わり、また新たな歴史を刻んでいます。
「脇本陣」は、江戸時代、参勤交代の大名に付き従った上級家臣や公家などが休泊した建物です。江戸後期に建てられた平入り大屋根構造の建物で、建物正面左の玄関「式台」の形式や、出桁や招き屋根など江戸時代の構造をよく残しています。また、主屋の奥には離座敷があり、床の間に欄間彫刻のある付け書院、違い棚などが施された格式の高い造りになっています。 現在は、登録有形文化財にも登録され、「脇本陣の宿・粂屋」宿泊施設や「くめや」喫茶施設として活用されています。